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【朝日新聞    2003年6月13日 金曜日】

<「ごみ輸出」にいら立つ中国>

 経済が急成長する中国は再生資源を飲み込む巨大な胃袋だ。中国南部を視察したリサイクル業界関係者によると、輸入した家電専門の「リサイクル村」が広東省広州氏にあった。
 村人たちは、はさみをてこ代わりにして部品を外し、材質別にバケツに放り込む。パソコンの基盤をコンロであぶってハンダを溶かし、回収する人もいた。
 上海に近い台州市には広大なリサイクル工業団地がある。3月に訪れた業界関係者によると、広さは東京ドームの6倍近い。16の企画ごとに、柱の上に屋根をのせただけの作業場がある。
 「ある区画では約300人が、裏返した洗面器に腰掛け、モーターなどを金づちでたたき割り、分解していた。日当は10元(約150円)ほどだが、採用してもらいたい人たちが列をなしている」
 中国政府は国内産業保護などのため、00年から廃棄家電の輸入を禁じている。しかし、東京都内で中古のテレビやエアコンを扱う業者は「中国人バイヤーが『軍隊の大物を知っている。うまく輸出できる』などとしきりに持ちかけてくる」と打ち明けた。

 「こんなものが入っていた。どうなっているんだ。調査しろ」。4月下旬、中国向けの再生資源を船積み前に検査する日中商品検査(東京・日本橋)に、講義の電子メールが届いた。
 金属スクラップ名目で中国に届いたコンテナから、古い医療機器が出てきたという。証拠写真もメールに添付されていた。 「抗議は毎月のようにくる。5月は3回だった」と同社技術顧問の岡村一行さん。
 台州市近くの港に昨年2月、日本から貨物船が着いた。1200トンの積荷の名目は「くず鉄」とされていた。
 だが、中国税関が荷を改めると、空き缶や毛布、ゴムシートなどがぞろぞろ出てきた。479トンは香川県の港に送り返されたが、一部は中国の港の一角に野積みされている。
 たびたび露見する日本の「ごみ輸出」。再生資源の取引を装い、放射性を帯びた金属くず、洗浄していないペットボトル、使用済み農業用フィルム・・・・。中国側のいら立ちが募る。
 「日中商品検査」は5月22日、約100社の取引業者に初めて警告文書を郵送した。不正輸出が発覚すれば、荷の強制送還企業名公表、輸入許可証の取り消しなどの措置をとる。
 「日中は一衣帯水の隣国。もし重大な違法事件が発生すれば、責任は一個人、一企業で負担せきるものではない」

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